機械学習で未来のレートを予測できるか(第五弾)

第四弾で検証した機械学習の改善版です。
元々勝てていましたが、コロナ相場で短期的に大きく負けるタイミングもあるため、
PF値にフォーカスして、さらに負けづらいEAを目指します。

初めてこの記事を読む方は先に「最新の機械学習EAの概要」を読むことをお勧めしています。具体的な機械学習のロジックを知りたい方はこのままお読みください。
細かい話はいいので機械学習の自動売買がしたいという方は
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前回からの改善点

学習の改善点

  • 機械学習の特徴量はレートから生成できる値は検証しきった感がありますので、外部の値を学習に追加します。今回は板情報を追加します。
  • 詳しいロジックは企業秘密ですが、板情報をもとに指値が壁になって逆方向に戻る可能性の高いレートと、逆指値が後押しになってそのままの順方向に進む可能性が高いレートを算出します。
  • 今のレートと逆方向に戻るレートと順方向に進むレートを比較し、BUY・SELLどちらの方向に進みやすいかを判断し、
    これを機械学習が算出したBUY・SELLの確率と組合せて売買判断をします。
  • 本来は逆方向に戻るレートと順方向に進むレートを機械学習の特徴量に追加したかったのですが、板情報が直近4年ほどしか取得できず、AIに学習させるにはデータ量が足りないため、今回はルールベースでロジック追加することにします。

本番運用の改善点 

  • 板情報をDukasではない別の外部サイトから取得する処理と
    上記の売買判定のルールベースの処理を追加しました。

システム構成と検証方法

下記のように、モデル構築とAPI運用にわけた構成です。
(構成は第四弾と大きく変わらないですが、板情報の取得が増えています)

検証方法

  • 第四弾で作成したEURUSDの60分後を予測するAIモデルに対して、下記にルールを追加します。
  • ・AIモデルがBUYを予測しているときに、今のレートから〇Pip以内下に戻るレートがあるか、もしくは〇Pip以内上に順方向に進むレートがあれば、エントリーします。
    (SELLの場合は逆方向のルール)
    主にこの〇Pipというところのパラメータをチューニングしてみます。
  • ・板情報のルールベースを足すと取引数が減りすぎるので、板情報の支えがなくとも、確率が非常に高いときはエントリーするようにします。

本番運用

  • 検証と同様のロジックで取引

学習と検証の結果

2018年1月~2019年12月の2年間でパラメータを最適化し、バックテストだけに最適化していないことを確認するために、2017年1月~2020年5月(コロナ相場含む)も追加で検証しています。
結果、取引数は1/3程度に減りますが、PF値が1.93→2.74まで向上、勝率が66.2%→69.6%という凄まじい結果となりました。
Frinxでは外部EAも色々稼働しておりますが、ここまで取引数があってPF値が高いEAは見たことがありません。

  • ①2018年1月~2019年12月
  • 獲得Pip: 2226.3
  • プロフィットファクター: 2.74
  • 取引回数: 446
  • 勝利数: 308
  • 敗北数: 138
  • 勝率 : 69.1
  • 平均勝ちPip:11.4
  • 平均負けPip:-9.3
  • 平均継続時間: 84分

 

  • ②2017年1月~2020年5月
  • 獲得Pip: 4201
  • プロフィットファクター: 2.42
  • 取引回数: 836
  • 勝利数: 582
  • 敗北数: 254
  • 勝率 : 69.6
  • 平均勝ちPip:12.3
  • 平均負けPip:-11.7
  • 平均継続時間: 84分

その他の考察と実際の取引

その他の考察 

15分モデルでも同じ検証をしましたが、若干改善した程度でした。
ある程度の取引時間がないと逆方向に戻るレートと順方向に進むレートがうまく作用してくれないと考えられます。ただし、板情報とは関係なく高確率のときだけ取引した場合は取引数は1/3まで減るものの、PF2.4まで改善したので、採用します。
今後EURUSDだけでなく、USDJPY、GBPUSD、AUDJPY、EURCHFなどの他の通貨ペアでも検証します。

実際の取引結果 
2020年8月14日より9月末まで1.5か月実施しました。

  • 獲得利益(Pip):50
  • 勝率 :51.4%
  • プロフィットファクター: 1.3

とあまり良い結果とはいえないですが、通常バージョンがマイナス100pipの中で、
プラスを獲得しているので、安定していると思われます。
もう少し取引結果が増えたところでまた更新します。

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